前回の続きで、住宅営業を見極める方法。成績の内容で性根が分かる！ - 注文住宅を失敗させない注文住宅マスターからのアドバイス

前回は、目の前に出てきた住宅営業の成績を確認する事でハズレ営業かどうかの見極めの方法の一つを紹介したわけですが、この成績にも２種類あるのですね。

成績が良くない営業マンは、絶対に避けなければなりませんが、では、成績が良い営業マンは必ず正解なのでしょうか？

前回の質問に対して、営業マンの回答は大きくは２つに分類できます。

書いてみましょうね。

一つ目。

「昨年は、売り上げ金額で３憶円以上ありましたから、そこそこの数、契約しています。今年は、まだ、１憶円程度ですが昨年ぐらいは売れると思いますよ。」

２つ目。

「昨年の契約棟数は、１２棟でした。今年は、半年で６棟契約していますので、このペースで行くと１２棟は契約できると思います。」

まあ、この回答例は私のような専門家や上席者に対しての話し方になろうかと思いますが、このような趣旨の内容で答えると考えてください。

この違いをお分かりになったでしょうか？

一つ目と二つ目では、内容が大きく異なっているのです。

共に成績優秀な営業マンと判断する事はできますが、考え方、つまりは仕事に対する姿勢に違いがあるのです。

それでは解説して行きましょうね。

一つ目の回答は、棟数では無く、金額の話をしている事に注目してください。

住宅営業の基本的なノルマと言いますか、会社が期待している事は金額と棟数なのです。

このどちらを優先するのかで営業マンの資質がわかります。

金額を優先する営業マンの多くは、自分の業績・評価・収入を中心に考えていると思っても良いでしょう。

業績評価と歩合やインセンティブ等収益に直結しているのは、売り上げ金額です。

大きな物件を契約すると利益率が大きくなり、その分、利益金額も大きくなります。

大抵の収益計算は、この利益とリンクしており、大きな利益を得る事で収入も増えます。

一棟契約金額が大きければ大きいほど、収入が増えるのですね。

この自分への収入に対して熱心な営業ほど、大型物件を契約したがります。

大型物件を取り扱う事ができるハウスメーカー等建築会社に限りますが、１憶や１憶５千万円と言った請負ができる会社の場合、必ず大型物件にしか興味の無い営業マンはいるのですね。

そのような営業マンは、同じ一棟契約するならば、３０００万円程度の客よりも、１憶の客を探すといったフザケタ事を平気で言うわけです。

その理由はいたって単純です。

３棟以上契約するよりも１棟で済めば楽だし、大きい金額の建物の方が面白いと言ったような事を言うのですね。

効率化という事を考えると理にかなっていますが、客を自分都合で選んでいるという事は、住宅営業の質としては最低なのですね。

また、このような営業マンは金額を吊り上げる事だけに注力していますので、必ずお客さんと金額の面でトラブルります。

私の経験上、同じ会社に居たこのような考え方の営業が、５０００万円で契約し、最終的には８０００万円まで金額を吊り上げ、歩合が増えたと喜んでいましたが、案の定、会社にはこのお客さんからクレームが沢山来ました。その理由の一つには、契約金額よりも３０００万円も上がったのは詐欺だと言うのはあったのに、会社側は無視していた事には正直驚きましたね。

このように金額で話をする営業マンは、成績が優秀だという意味は、お客さんにとってはプラスになるのかどうかは、疑問が残るという事なのですね。

さて、二つ目は、本来期待している回答になります。

金額ではなく、棟数を話していますのでその会社が取り扱える商品の数だけを回答しています。

まあ、詳しく内容を分析してみないといけないのですが、ハウスメーカーが取り扱う建物にも幅がありますので、金額の小さい建物なのか、主力商品なのかによっても営業マンの能力に違いが出ます。

主力商品で契約棟数が期待通りが理想なのですが、この回答だけではそこまでは読み取ることはできません。

まあ、この２つの回答のケースでは２つ目の回答をしている営業マンをまずは選んでみて、いろいろと試してみると言うのが正解なのですね。

さて、いかがでしたか？

優秀な営業マンは、本当に１０００分の１か１００００分の１程度しかいないと思えるこの業界においても、２分してしまうのですね。

注文住宅は、皆さんが考えているような、簡単なものではありません。

皆さんの考え方を変えない限り、注文住宅でのトラブルは常に起こり、それに巻き込まれないとは決して言えないのです。

私に相談するには、遠慮は無縁です。

真剣な方であれば、大丈夫です。