注文住宅を進めて行く上で、沢山の疑問点や不明な事柄が発生するわけです。
本来は、そのようなお客さん側の不安や疑問が発生しないように建築業者側が配慮して対応すべきなのですが、現実問題として業者側が自社商品の販売だけに注力し、また、営業マン等スタッフの能力がプアーという事も相成り、業者の言い分だけが通ってしまい、お客さんに不満と不信、不安が生じてしまうのです。
これらを解消するために、お客さんが自分でいろいろと調べるわけなのですね。
ネットを使ったり、セミナーに参加したり等々、いろいろとされるわけです。
しかし、今も昔も最良の方法は、直接対面して事情を話ながら言葉のキャッチボールをしながら自分専用の問題解決を図る事なのです。
つまりは、その筋の専門家に尋ねるという事なのですね。
しかし、あまり知られていないと言うよりも、ほぼ誰も知らないことなのですが、社外の有識者、専門家に相談する、助けを求める、話を聞くに関しては、タイミングがあるのです。
言い換えれば、タイミングを間違えば相談する事すらできなくなるのです。
専門家は、一般人とは違い、言う事・はなす事に対しては、専門家としての責任が伴います。
この責任があるが故に正しい事だけを話するわけですし、お客さんも業者も守られるのです。
専門家が無責任な話や回答をすれば、身も蓋も無いわけですからね。
さて、このような事もあり、専門家に尋ねるタイミングが最も重要になってくるのです。
では、場面別に考えてみましょうね。
注文住宅に関しては大きくわけて3つの場面があります。
①業者を決める前
②契約をしていないが話を進めている業者がいる段階
③請負契約後
この3つの場面があります。
各々に対して説明して行きますね。
①業者を決める前
これが専門家に相談するのに対して最良のタイミングと言えます。
お客さんは、どの業者でも選択可能ですし、その選択手順に専門家の助言等手伝いが入るわけです。
業者と面談する時も専門家を同席させ、専門家が業者と対話する事でお客さんが知り得ないその業者の真の実力が見れてきます。
業者とお客さんという絶対的な立場の違いは完全に払拭され、業者と専門家との対話にお客さんが理解できる内容で聴けることで正しい判断を可能にします。
このタイミングが最適なのですね。
②契約をしていないが話を進めている業者がいる段階
このタイミングで専門家を入れるには、業者側の態度が大きく影響してきます。業者側はお客さんと単独で話を進めて行きたいわけです。
その理由はお分かりだと思いますが、そこに社外の第三者、しかも自分達よりも能力も経験も上な専門家が入ってくると業者側の思うような進め方が出来なくなります。
これを嫌う業者が沢山いるわけです。
また、お客さんも業者側と専門家との両方に気を使う必要も出てきますし、調整に関してもいろいろと面倒な場面もあります。
また、業者側に専門家を同席させることに関しては、承諾を得る必要も出てきます。
①との違いは、①は業者側の承諾は必要ありません。専門家を同席させることが必須条件だからです。お客さん側の主張が第一と言うところが、②とは違うところになります。
タイミングとしては、あまり好ましくない状況ですが、業者側の不誠実さや能力等を図る上では重要なタイミング、恐らく最後の砦という事になるでしょう。
③請負契約後
この場面では簡単に専門家を入れる事は不可能になります。
請負契約を行ってしまうと、契約内容と契約約款に書かれた文言が重要な意味を持ってきます。
そこには、信義則と書かれており、業者もお客さんも互いに信頼して、目的物の完成に努めるとなっています。
言い換えれば、相手に不信を持たせる行為を行ってはいけないと書かれているわけです。この均衡を破るのは、常に業者側なのですが、業者側の方が優位な立場で話を進めることが出来るのも請負契約なのです。
このような中でお客さんが社外の有識者、専門家にアドバイスや相談を持ち掛ける事は、業者側からすれば信義則違反という形に考えられてしまうのですね。自分達を信用しないで社外の他人を信用するという事は裏切り行為だと思ってしまうのですね。
自分達の事は棚に上げて・・
相手側の承諾なくして物事を契約時と違う状況で進める事はできませんので契約時に専門家を入れる事が約束されていない限り、専門家に相談をする事自体を業者側に承諾させなければなりません。
これが厄介なのですね。
また、確実に費用が掛かってきます。
専門家に相談する費用や調査や調整が必要な場合には、それらの費用が建築費用以外にかかってくるわけです。
請負契約後に第三者を入れるような注文住宅計画は、決して良い結果を生み出す事はありません。
最も良くないパターンと言えるのですね。
さて、お分かりになったでしょうか?
多くの失敗事例は③の状況下なのです。
請負契約を終えた瞬間にそれまでうまく行っていたかのように見せられていた事に気がつくというお客さんも数多くいましたし、今もいます。
この記事をよく読んで、今、何をすべきなのかをよく考えて、手遅れにならない間に最良の方法を選ぶようにしましょう。
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